先染めは本当に格下なのか
少し脱線しますが、格を語る上で
どうしても触れておきたいことがあります。
先染めと後染めの話です。
一般に、後染めの方が格上とされています。
留袖から小紋までが後染め中心で、
お召・紬・絣などが先染めです。
なぜ後染めの方が格上なのか。
それはおそらく、色数と華やかさの問題です。
後染めは白生地に後から色をつけるので、
絵を描くように多くの色が使えます。
先染めは染めた糸を織って柄を表現するので、
使える色数に限界があります。
フォーマルな場には絢爛豪華な多色使いがふさわしい、
という発想から来ているのだと思います。
ただ帯は例外で、
西陣の先染袋帯などは格が高いものも多い。
帯の場合、先染めでも
十分な色数と豪華さが出せるからだと思います。
先染めの良さは、生地そのものの風合いと個性です。
高級服地の多くが先染め織物であることからもわかるように、
紬などには独特の味があります。
格の差は色数の差と割り切って、
もっと自由に楽しんでいただければと思います。
ーー 先染めの格が低いのは色数の差が理由。
風合いや個性という別の魅力がある。