格は難しい決まりじゃなく、便利な目安
現代きものの多くは、
実はそれほど長い歴史を持っていません。
訪問着は大正時代、
付下げは第二次世界大戦中の誕生です。
つまりきものの「格」も、
歴史的に重要な根拠があるわけではなく、
「どこかの誰か」が言い始めたことが
伝わっているに過ぎません。
格は難しい決まりというわけではなく、
合理的な目安だと考えられます。
たとえば、何かのお呼ばれで迷ったとき、
「とりあえず訪問着なら大丈夫」と思えるのは、
格という目安のおかげです。
振袖を着ていればどこへ行っても怖くない。
そういう安心感として格を利用すればいい。
きものと帯の格を合わせるというのも同様です。
フォーマルなきものに
カジュアルな帯を合わせないのは普通の感覚です。
それから、きものの柄から一色を帯に使う、
同系色でまとめる、織りのきものには染めの帯を、
といったアドバイスも決まり事ではありません。
おそらくそれは「こうするとまとまりやすい」
という先人の知恵だと思います。
留袖と振袖を正装の別格として、
訪問着以下については細かいことを言いすぎない。
お友達とのランチで訪問着もいいし、
結城紬でパーティーも問題ない。
服装は相手への敬意を表すものですが、
小紋であっても「わざわざきものを着てきてくれた」
と受け取る心の豊かさの方が、
きものには似合っていると思います。
ーー格は合理的な目安。
使えるところだけ積極的に使えばいい。