着られない ― 知らないだけなら、覚えればいい
「着られない」という理由の多くは、
「着方がわからない」ということです。
だからきものは難しい、という話になりがちですが、
少し立ち止まって考えてみてください。
難しいのではなく、単に知らないだけではないでしょうか。
みなさんは洋服の着方を、いつどこで習いましたか。
着付け教室に通った記憶はないはずです。
でも今、洋服は普通に着られている。
赤ちゃんの頃は誰でも着せてもらっていたのが、
成長とともに自分でやるようになり、
ボタンを掛け違えたり後ろ前を間違えたりしながら、
いつの間にか身についていったのだと思います。
きものも、かつてはそういうものでした。
子どもの頃から毎日着ていたので、自然に覚えられた。
大昔から明治から昭和の初め頃まで、
きものの着方は日常生活の中で
自然に受け継がれていたはずです。
それが今は、
その長い練習過程が丸ごと省かれてしまっただけです。
知らないことは覚えるところから始めるしかありません。
でも、特別に難しいことでもありません。
最初は誰でも知らないわけですから、
焦ることは何もありません。
「難しいんじゃなくて、ただ知らないだけだ」と思えると、
ずいぶん気が楽になりませんか。